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シカゴ郊外で開発されたLSC「アーボリータム・オブ・サウスバーリントン」
アーボリータムは「通り」からなるライフスタイルセンターではなく、「村」の雰囲気をそのまま取り残したような有機的なSCである。また周辺のアップスケール住宅地に見合うようなユニークなテナントが取り込まれている。
□「マーケット・スクェア」のデザインを取り込む
アーボリータム・オブ・サウスバーリントン/The Arboretum of South Barringtonは、シカゴ郊外サウス・バーリントンで今年の9月15日にグランド・オープンされた。サウス・バーリントンは平均世帯所得が21万ドルという裕福なベッドタウンであり、車で20分内商圏には、95万人が居住し、平均世帯所得は7万4,000ドルである。
開発会社は地元のジェイフ社であり、地域に見合った質の高い、コミュニティーの集いの場となるようなライフスタイルセンターを創り出そうとした。開発コストとしては2億ドルがかけられている。
アーボリータムはシカゴ郊外レイク・フォーレスト市にある、1916年に開業した米国初のショッピングセンター、「マーケット・スクェア」のデザインを踏襲する。同SCが持っていたイギリス、フラマン、米国コロニアルなどの建築様式をアーボリータムに取り込んでいる。
ディテールがしっかり押さえられており、オープンスペース、公園、コブルストーンの敷き詰められた舗道、時計台、ブロンズのアートワークや噴水など、多彩なアメニティーが盛りこまれた。またプロジェクト内には2,700本の木が植えられ、3万の灌木が取り込まれている。
全体の建築デザインは、ユニークなチューダー様式でまとめられ、ショッピングセンターではなく、ヨーロッパのヴィレッジの雰囲気をうまく出している。無料のワイファイもプロジェクト中に巡らされた。
敷地面積は87エーカー(10万6,500坪)で、第一期のリース面積は60万スクエア・フィート(16,860坪)となった。核店舗は中西部初、かつ東部以外での出店も初めてとなるLLビーンズが3万スクエア・フィート(843坪)で出店している。
この店舗は環境にやさしいLEED認定を受けたグリーンストアである。その他、大型シューズストアのDSWやサーキットシティ、ドラッグストアのCVSなどが核店舗として入居した。
□ユニークな娯楽テナント
娯楽要素として、オーストラリアから高級シネコン、「ヴィレッジ・ロードショウ・ゴールドシネマ」が全米で初めてオープンされた。8スクリーンを持ち、各館は40席しかなく、全てリクライニングシートで、カクテルや食事のテーブルサービルが受けられる。同社はすでに全米展開を進めているが、そのスタートとしてこのSCが選ばれている。
大人向けのボーリング場も入居した。ピンストライプス・ボーリング/ボッチ・ビストロの2号店であり、ノースブルック市に次いで2号店となった。ピンストライプも、大人向けのアップスケール・ボーリングで、本格的なレストランやバーが作られ、ボッチも野外と室内の両方にレーンが設けられた。
その他チコズ、コールドウォータークリーク、ジョセフ・バンク、アンテイラー、シュラ・ターブル、ヴィクトリアズ・シークレットなど、ライフスタイルセンターに必要なナショナルテナントが出店している。
また地元からも100年以上の歴史を持つ家具屋、トムス・プライスなど、シカゴのローカルや地域のテナントもしっかりリーシングされた。飲食もルースクリスを始め、著名なチェーンが出店している。
現在21,300スクエア・フィート(600坪)の面積を持つアップスケール託児所、「クリーム・デラ・クリーム/Crème de la Crème(意:最高のものという仏語)」が建設中である。これによって送り迎えする裕福な母親達を一日2回、SC内に呼び込もうというデベロッパーの戦略である。
□周辺に点在する集客装置
アーボリータムの周辺には、巨大スポーツ用品店のカベラス/Cabela’sがあり、サウス・バーリントン市の隣町、ホフマン・エステーツ市にはシアーズ社の本社と40万スクエア・フィート(11,240坪)のパワーセンターがある。保険会社のオールステート社本社も隣の敷地にある。
また11,000席のシーアーズセンターがシアーズ本社に隣接してあり、プロホッケーやコンサートなどが開催されている。14階建てのホテルとウォーターパーク、9,000席の野外劇場なども建設中である。
これら周辺の強力な施設が昼間の集客の助けにもなっており、半径5マイル(8キロ)内には62,000人が働いている。足元商圏に住む裕福な人々も、ダウンタウンというものを周辺に持っていないために、夕方から夜、そして週末は地元民でにぎわうことになった。
そのため、レストランはルースクリス・ステーキ、ノズミ・スシ、ワイナリー・レストラン、パネラ・ブレッド、ポットベリー・サンドウィッチなどユニークなレストランが集められた。
シカゴ都市圏には高級SCが沢山存在するが、どれも交通のアクセスは良くない。しかしアーボリータムは高速道路の90号線に沿って開発されており、半径15マイル(24キロ)の第一次商圏内に住む顧客をがっちり捕まえることが出来る。
デベロッパーのジェイフ社は投資会社のRREEF/CalPERSとパートナーとなって開発に臨んだが、この安定したファイナンスとキーテナントの確保によって開発スケジュール通りにオープンしている。
来年から再来年にかけて次の工期がオープンされる。敷地内にある人工湖を取り込んだ施設が開発され、さらに12万8,000スクエア・フィート(3,600坪)分のリース面積が生まれる。この立地はかつて養樹園であった。したがってArboretum(樹木園)というSC名が付けられた●
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